5/18~5/22 月曜日~金曜日

5/18 月曜日

 夕方、耳鼻科へ向かった。聞こえている音と違うピッチの音が重なって響いて聞こえるという症状を訴え、受診した。受付の看護師さんの声ですら、ピッチのずれたノイズ混じりに聞こえ、頭がくらりとした。耳を覗いてもらったところ、鼓膜に耳垢が少しついているので、これが原因の可能性があると言われた。ところが、その場で耳を洗浄してもらっても、症状は治らなかった。次に、聴力検査を行ったところ、低音の聴力が若干平均より低いものの、著しい聴力の低下は見られなかった。ステロイドや漢方を処方され、様子見ということで病院を後にした。帰り道、自転車を漕ぎながら、不安な気持ちをごまかすために鼻歌を歌おうとしたら、自分の声と共に右耳の中であのピッチのずれた嫌な音がした。どうやら、自分の声でも、裏声や高い声を出すと、あの雑音が聞こえてしまうようになっていた。歌っても、不協和音に聞こえ音程が取れず、非常に不快で悲しい気持ちになるだけなので、気晴らしに歌を歌うこともできなくなってしまった。

 

5/19 火曜日

 目覚めると右耳には、手で押さえているような、水が詰まったような閉塞感がうっすらとあった。これを耳閉感というらしい。息を吸う時にも、右耳が塞がっているような感じがした。仕事はリモートワークのため、パソコンの音量を極力下げたり、大事なところは左耳にのみイヤホンをつけて聴いたりしてやり過ごした。しかし、パソコン越しの声でも、特に女性の声はノイズ混じりに聞こえ、その度に心がしんどくなった。

 

5/20 水曜日

 起床しても、耳閉感は変わらずあった。窓を開けると工場の音や近所の子供たちの声がしたが、それさえもノイズ混じりに聞こえるので嫌になって基本的に閉めるようになった。思えば、音楽からこんなにも離れたのは中学生以降、初めてだ。何をするにしても自分の生活の周りには音楽があったということを今になって実感した。

 また、不快な音が混じるので、映画や動画、TVにラジオも見たり聴いたりするのが苦痛になってしまった。当然、人と話すのも気が乗らない。

 

5/21 木曜日

 朝、起きた直後に、その日最初の音を聴くのが怖くなってきた。この日も緊張しながら、その日初めての音を聴いたがノイズはなくなってなかった。もちろん、耳閉感もある。耳閉感には波があり、この日の午前中は特に塞がっているような感じがした。試しに、鼻をつまんで耳抜きをしてみたが、左耳しか耳抜きができている感覚がなく、右耳の詰まった感じは消えなかった。

 仕事中同僚に、辛そうだと心配された。あらゆる音にストレスを感じるせいで、気を張ってしまい疲れやすくなっている。特に昼下がり以降、疲労が今までより重たい。

 極力音を聴かないように過ごしているが、久しぶりに非常に音を絞って、アンビエント系統の音楽を聴いてみた。元々、雑音ありきの音楽のためかまだ聴けた。もちろん、耳に負担はかけたくはないので長くは聴かなかった。また、心地よいはずのピアノやギターのインストの曲は不協和音にしか聴こえなくて、苦しくなった。

 

5/22 金曜日

 夕方、通院した。耳閉感があることと、高い音で特に雑音が混じること、症状は全く改善していないことを伝えた。まず、鼻から管を通して耳に空気を送り込んで耳抜きをしてもらったが、耳閉感に対して何ら効果はなかった。そこで、再び聴力検査を行ったところ、右耳で低音がよく聞き取れなくなっていた。ピーッという検査音が全然聞こえなくて、自分でも酷く衝撃を受けた。前回の結果と比較したところ、著しい聴力の低下がみられた。薬が倍ぐらいに増えて、月曜日また来るように言われてこの日は終わった。