5/14~5/17

5/14 木曜日

 夜、いつものように人と電話をしたら、相手の声と共に雑音が混じって聞こえた。水が入ってしまったスマホのスピーカーのような、弦を押さえ切れていないまま鳴らすギターのような、音がビリビリと共振しているようなノイズだった。初めは携帯の不具合かと思い、右耳で受けていた携帯を左耳に変えてみた。すると、雑音は聞こえなかった。交互に当てる耳を変えると、どうやら右耳だけノイズが混じることが分かった。耳や身体が疲れているのだろうと考え、寝れば治ると思いそのまま眠った。

 

5/15 金曜日

 夜、人と電話をしたが、この日も右耳で聞く声の裏に雑音が混じった。たった一日の睡眠では治らなくてもそれほど不思議ではないと思い、深くは気にせずに眠りについた。余談だが、4月は右目の痙攣が収まらず、一か月くらい眠っても眠っても目の調子が悪かった。その経験から、耳も寝ていれば治るだろうと考えていたのだった。

 

5/16 土曜日

 日中、人と電話をしたが、やはりこの日も雑音は聞こえた。その後、イヤホンをつけた状態で、ギターを弾いたらやけにチューニングが合わない気がした。音をよく聴くと、まるで倍音成分が強調されているかのような金属的な高い音が混じって聞こえた。このギターは最近買ったばかりだが、こんなにも倍音が際立った音色だっただろうかと気になり、イヤホンを外して生音を聴いてみた。生音も金属的なピッチのずれた高い音が混じって聞こえた。特に2,3弦あたりの音は際立って高い音が混じって聞こえた。チューニングが狂ってしまっており、変な共鳴が起こっているせいでキンキンしているのかと思い、丁寧にチューニングをし直した。しかし、コードを弾くと不協和音だった。何度チューニングをしても綺麗な和音は鳴らなかった。ここで、自分の耳の方がおかしいことを自覚した。とはいえ、どうしようもないので、とりあえず、この日も安静にして眠った。

 

5/17 日曜日

 起きてから、ギターを弾いてみたが、ピッチのずれた不快な音はこの日も混じって聞こえた。綺麗で心地よい和音を弾こうが全部不協和音になってしまうので、どうしようもなく悲しくなってしまった。もちろん電話越しの声は相変わらずビビった音と共に聞こえた。

 さすがに危機感を覚え、インターネットで似たような耳の症状について調べた。すると、突発性難聴や急性低音型感音難聴などが引っ掛かった。さすがに、そこまで酷くはないし、低音も聞こえているとは思いつつも、それらの症状と治療法について詳しく調べていった。詳細は割愛するが、急性で起こる耳の病気というのは遅くても14日以内に治療を開始しないと、完治しなかったり、聴力が元に戻りきらなかったりものだということを知った。不安が募ったので翌日仕事終わりに耳鼻科に向かうことにした。

 この夜、右耳がぼーっと塞がっているような圧迫感を感じた。耳鳴りというと高い音のイメージが多いが、この時は、ものすごく低い音がぼんやり聞こえているようなタイプの耳鳴りがしている気がした。明日は絶対病院へ行こうと思いながら、大人しく眠った。